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iPadの選び方

2010年6月3日 木曜日

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iPadを発売日に購入して6日間、起きている時間の半分はiPadを触っているかもしれない。iPhoneは電話をかける時と移動中以外触れていない。もちろんずっとこのままのわけはないが、思っていた以上なのは確かだ。様子を見てから購入する人も多いと思うので、感想をまじえつつ、買うべきか買わないべきか、買うならどのモデルを選ぶべきかを説明してみる。

購入前の私の想定はこうだった。

タッチパネルでのキー入力は実用的ではない。それは以前のタブレットPCでの経験からわかっている。しかし画面が大きければ、iPhoneでは限界があった手書きメモは実用的になる。ウェブページや資料をすぐにスクリーンショットに撮り、そこに画像編集アプリで書き込む使い方は便利なはず。

CPUはiPhoneの600MHzから上がって1GHzになる。これはブラウザでは十分だが、ネットブックでの経験から考えて、エバーノートなどちょっと重たいことをすると無理がでるだろう。ノートPCを代替できるようになるのは次期バージョン以降になるだろう。電子書籍やレンタルビデオも日本では来年以降の話だ。大容量のディスクを本格的に使うのは1年後、買い換えた後になる。

移動しながらiPadを使うことはない。iPhoneがあるから、そっちで同じことはできる。メインはiPhone、打ち合わせ中はiPadという使い方になる。しかし本格的に使う場合はノートPCが必要になるに違いない。であれば回線は兼用できるPocketWifiにしておくほうが無難。

このような想定で今回はあくまでお試し、1年後に買い換えるだろうから2年縛りだけは勘弁、ということで16GBのWiFi版を購入した。

そして購入して6日間使用した今の結論を先に言おう。

文字の入力をメインにノートPCを使っている人は、iPadに置き換えることは無理だ。外付けキーボードもあるが、そこまでしたらiPadは単なる色モノだ。ノートPCのほうがいい。ライター、プログラマ、会議中に議事録をとりまくる人、メインマシンがデスクトップでない人はあくまで遊び用と割り切ったほうがいい。

同じ仕事でつかうにしても、外回りが基本でプレゼンや急ぎの資料の閲覧、ウェブなどがノートPCの役割という人はぜひiPadをもってほしい。私は作業はデスクトップPCで行う。ノートは持ち歩きでしか使わないので、ノートPCは早々にいらなくなりそうだ。

WiFiと3Gのどちらを購入するかだが、ノートPCを手放せない人はWiFiでもいいだろう。逆に外出が多い人は絶対3Gだ。ノート併用で外出中のネット利用が2時間以内という人だけ PocketWifiが生きる。わかりづらいのでまとめると

自宅や職場のWiFiエリアから出ない人 > WiFi
ノートPCと併用する人 > WiFi + モバイルルータ
一日2時間以上、外でネットを使う > 3G
ノートPCと併用しない > 3G

私は3番目なのにノートPCと併用する可能性を考えてWiFi+PocketWiFiにしてしまった。結果的にPocketWiFiの電源確保に頭を悩ませることになった。iPadは一日電池がもつのに、PcoketWiFiは2時間で電池が切れてしまう。エネループを手放せそうにない。電池がへたってきたら耐えられそうにない。

次にディスク容量だが、iPhoneをもっている人は、今の使用量をみてほしい。私は映画を持ち歩くので32GBを結構いっぱいに使っている。かといって64GBは使い道がわからない状態だ。iPadを購入するときは、最低でもその容量を下回ってはいけない。同じiTunesから同期するので、iPadが16GBでiPhoneが32GBというのは結構めんどうなのだ。私はそうなってしまい、細かく調整しなければならず、結果としてiPadの16GBにあわせて全体を減らすことになった。

私の場合は動画を数GBもいつも入れているので、そもそも16GBすら使い切らないのかもしれない。しかし、iPadのアプリは予想以上に大きい。今後どんどん大きくなるだろう。私のiPadのアプリは今も4GBもある。まだ例の周期表アプリはいれてないし、電子書籍も集めてはいない。仕事用の文書データも入れていない。ゲームと雑誌がいくつかずつ、EVERNOTEやDROPBOXなど基本となるアプリ、iWorksの3本での状態だ。

動画や音楽なども含め、がっつり使おうという人は32GBをおすすめする。かといって64GBはいまのところ使い道が想像できない。圧縮率の低いHD動画を大量に持ち歩く人でないかぎり不要だろう。

音楽と動画はほとんど持ち歩かない > 16GB
音楽や動画も普通に楽しみたい > 32GB
動画がお仕事 > 64GB

私は仕事柄、1年後のニューモデルに買い換えるだろうと思っている。普通の人は2年間は使うつもりだとおもうので、32GBを購入しておくほうがいいかもしれない。

さて、ここからはiPadを使って何ができるのかと、感想になる。

懸念されていたキーボードは思っていた以上に打てる。米国版を触っていた人達のレビューでもそういわれていたが誇張ではなかった。ただ、どうやらこれは向き不向きがある。私は向いていない方らしい。

パソコンでキーボードを打つとき、いや打つ前、あなたの手はキーボードに触れているだろうか。私はキーの上に指を軽く触れている。そういう人はiPadではタイプミスを連発する。おそらくブラインドタッチの人はこっちのはずだ。

逆に、キーボードをチラ見しつつ打つ人はキーボードに常時触れているということがないらしい。この人にとってはiPadでのキー入力でほぼミスはない。だから、手を画面に触れない癖さえつければ、ほぼブラインドタッチが可能だ。

しかし日本語には漢字変換という英語にはない難点がある。ノートPCの場合はディスプレイが立っているので、打ち合わせ中のキー入力でも視線移動が小さい。iPadの場合は画面自体が手元にある上、変換キーではなくタッチで選ばなければならないので下を向いている時間が長くなる。それとキーピッチを確保するためにキーが減っている。このため数字や記号を打つにはキーボードを切り替えねばならない。これがかなりやっかいだ。このためキーボードはかなり打てるが、本当の意味で実用的ではない。

iPadの画面は本当にきれいだ。Windowsをメインで使っているとMacの画面の綺麗さに驚くが、iPadはさらに綺麗な印象を受ける。ウェブや動画をみるならパソコンの前にいてもわざわざiPadでみようかと思うぐらいである。もちろんウェブはフォントがきれいだという理由もあるが、指で直感的に操作できるここち良さは大きい。また、ディスプレイより近いのでまさに雑誌をみている感覚がある。机とイスから開放され、ソファやクッションの上でリラックスして見れる。ノートPCでもそうしたいと思っていたが、いつの間にかきちんと座らざるを得なくなってしまい、かえって腰が痛くなる。ところがiPadはいつの間にか居眠りをしてしまう。

電子書籍に関してはこう考えていた。米国ではKindleや今回のiBooksと本格化しているが、日本はまだまだ来年の話だ。パソコンでPDFの書籍を読むのはつかれる。やはり本はリラックスして読みたい。iPhoneで電子書籍を購入してみたが、見やすさを考慮して作られているアプリなら十分読めるが、PDFをそのままぶち込んだ拡大縮小しながら読まされるアプリにはうんざりだ。

ところがiPadを実際に触ってみると、電子書籍こそがiPadの真髄なのではないかと思い始める。まず漫画がすばらしい。すべての漫画を電子書籍にしてほしいぐらいだ。なんの加工も開発もいらない。コミックをそのまま画像にしていれてくれるだけでいい。コミック1冊が100円でダウンロードできるようになったら、CDが着うたになったぐらいのインパクトがあるに違いない。出版社はまず2−30年前の少年漫画を徹夜で電子書籍化するべきだ。iPadの購入者層がもう一度漫画にもどってくるだろう。ついでに各国への翻訳版も対応すれば、販売経路で悩まずに海外展開できる。

つぎに新聞。iPhoneで産経新聞をみても、毎日見る気にはならなかったが、iPadなら毎日見る人がでるだろう。ついに有料化に踏み切ったのもうなずける。産経新聞はiPhoneで挑戦した甲斐があったと思う。ただ、新聞というメディアの形態がやはり限界だ。すでに裏側はデジタル化されているのだから、あの形にとらわれるべきではない。

驚いたのは雑誌だった。美しい紙面をタッチすると動画が流れる形式の雑誌アプリは感動する。文字も動画もウェブで見慣れているはずだったが、雑誌のように美しいレイアウトになるとやはり見ていて楽しい。しかしそれには専用アプリの開発が必要だ。また各号が個別のアプリになるのは開発・審査を考えると発売日から遅れすぎる。かといってオンラインで読むと1ページごとにダウンロードしたのでは興をそがれる。発売日に配信され、オフラインにも対応する汎用的なアプリがいずれ開発されるだろう。

同じ雑誌でも、単に紙面をPDFのように読めるものは新聞と同じで限界がある。記事+動画に対応できた出版社は生き残り、対応できない出版社は消えていく気がした。そういう意味でもソフトバンクのビューンには期待しないし、iBooksやKindleなどの規格型の電子書籍は雑誌を救わないだろう。

通常の書籍に関しては、画面が大きくなっただけでほぼ問題は解決したといっていい。テキストファイルを放り込んだだけのものですら、画面でページをめくりながら読めるだけで十分、書籍としての役目をはたすようだ。日本独自の規格がどうだの、ソニーの電子ブックビューアーがどうの、ブラウザでよめるJavaScript型だのと馬鹿なことをいってないで、すべてのデバイスに対応しなければならない。コンテンツは膨大なのだから、すべての移行には時間がかかるのだ。早く対応すればするほど利益と勝率は高くなる。なぜ音楽の結論から学ばないのか。確実に敗れる護送船団に何の意味があるのか。

ゲームは大画面になることで明らかに変わった。iPhoneでは携帯電話アプリの延長でしかなかったが、iPadではプレイステーション1か2ぐらいの楽しみがある。PS3はWiiとの勝負の結果、オーバースペックすぎることが証明されたので、ゲーム機としてはiPadで十分だ。よいゲームなら1500円でも十分売れる。iPhone以上にゲーム会社は本腰をいれてくるに違いない。

ゲームにおいて違いがあるとすれば、コントローラーで操作して気持ちがよかったアクションゲームやRPGなどから、コントローラーでは操作しづらかったテーブルゲームやシュミレーションなどにトレンドが移るかもしれない。2台のiPadで通信対戦するカードゲームなどは楽しそうだ。

動画については、フラッシュ非対応、ウィンドウズメディアプレイヤー非対応のiPadな上に、日本ではAppleのレンタルビデオ非対応ときては誰もが楽しめる状況とはとても言えない。残された手段はリッピングだけとなってしまう。こればかりは素人にはおすすめできない。当分の間は出来る人だけが楽しむしかないだろう。しかし、YouTubeのHD映像だけでも楽しんでほしい。あとは日本の映画会社がゴニョゴニョしててもどうでもいい。だってコンテンツのメインは欧米だから。時間の問題で見れるようになる。

感動するエンターテイメント側に比べ、ビジネス用途に関してはまだまだかもしれない。そもそもジョブズは重視してないのだろう。このタイミングでマイクロソフトがオフィスをiPadに載せる訳は無い。Windows7搭載のタブレット機にとって、MSオフィスはキラーアプリだから。iWorksはあるものの、互換性は完全ではないし、そもそも面倒だ。そしてカーソルキーが無い表計算ソフトは微妙どころではない。

Google DocsはPCでもまだ実用的とは言えない進化途中だが、iPadではさらにまだまだとなってしまう。iPadのSafariはモバイル版で、PCと同じではない。これはJavaScriptが一部うまく動かないなどの可能性を随所に含んでいる。ウェブのプログラマーにとってiPadは頭の痛い問題となりそうだ。

無意味にFlashを使ってしまったサイトは見ることができない。サービス系のサイトは慌てて作り直すだろうが、中小企業はiPadのために早速サイトをリニューアルすることはないだろう。そして代替画像というものがほとんど指定されていないのだと気づいた。

こればかりはジョブズが諦めてくれることを祈るしかない。戦略は良くわかるのだが。

紙の手帳に置き換わるもの

2010年4月4日 日曜日

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紙の手帳を無くせないかという問題にもう15年は取り組んでいるように思う。出来るだけ小さなノートPCを購入したり、PDAを購入したり、タブレットPCを購入したり。いったい今までにいくつのモバイルデバイスを試してきたのだろう。おそらく年1個ペースとして15個か?もっとか?

そのうちのほとんどは使い物にならなかった。まずノートPCは起動にあまりにも時間がかかる。それに会議のたびに机の上に出すと、以前はぎょっとされたものだ。相手が話しているのにカチャカチャキーボードを打っているのもなんだか気が引ける。ただ、入力は一番はやい。

かといってPDAは小さすぎて、操作するのに意識の集中を必要としすぎ、そして遅すぎるのだ。しかし、起動が早くいつでもすぐメモできる。歩いているときやトイレの中でもOKなのはとても大事だ。

いままでで一番可能性があったのは何か。ThinkPad、リブレット、LOOX、ウィルコム、クリエ、画面がくるっと回るノートPC、ネットブックも、とにかく思いつく限りのデバイスを買い、使ってみたのだ。そしてその中でもっとも、そして唯一可能性があったのがこれだった。

FMV-STYLISTIC

FMV STYLISTIC

FMV STYLISTIC

当時のCPUは遅く、通信も遅かった。性能の割にバカ高く、ほとんど売れなかったはずだ。なにしろでかくて重かった。A4サイズより少し大きく、2kgはあった気がする。しかし、いままでで唯一、紙のノートよりもよいと思ったのはこれしかない。

議事録やメモというのは、あとで読み返せればテキストでなくてもよい。文中の文字はさほど検索することはないのだ。検索できるのはタイトルだけで十分。あとは時系列に並んでいればほぼ探せるものだ。ノートPCで議事録をとっていて、図が書けなくて困る事は多い。図を書こうとすると極端にスピードが遅くなり、間に合わなくなる。手書きなら問題ない。

この機種は Windows XP Tablet Edition がはいっていて、Microsoft Office One Note がインストールされていた。One Note は Office 製品の中でも意味のわからない存在だろう。それもそうだ、これはタブレットPCのためだけに作られた製品だったと思う。タブレットPCブームがこないまま、One Note だけが中途半端に残ってしまったのだ。

実際、Tablet PC を使っていると One Note はとても便利だった。とりあえず何でもかんでも One Note を開いて書いておく。いちいちいろんなソフトを立ち上げていては会議中は間に合わないのだ。ノートは大分類ごとに時系列に保存される。One Note で私が一番気に入っていたのは、EXCEL や POWERPOINT、PDF などのファイルを取り込み、上から手書きでメモをとれることだった。

例えばホームページについて打ち合わせしているとしよう。タブレットPCでホームページをみんなで見ながら、会議をしている。そのままホームページをPDFファイルに出力して、One Note で上からカラフルにメモを書き込んでいける。書き終わったメモは再びPDFファイルに出力して議事録としてメールで送ることができた。

パワーポイントでのプレゼンテーションも同様だった。プロジェクターにつないだタブレットPCでプレゼンをしながら、その場で出たアイデアを画面にそのまま書き込んでゆく。書き込んだ内容はプロジェクターでそのまま全員がみているわけだ。会議がおわったらすぐ、PDFファイルでメール配布できる。

大切だったのは大きさだった。当時のタッチパネルは反応がいまいちで、小さな文字はかきづらかった。A4サイズ以下だと実用的ではなかっただろう。みんなで覗き込む画面としても、解像度として1024x768はぎりぎり譲れない線だった。当時はB5ではコスト的に難しかったのかもしれない。

確か当時は、このタブレットPCと、キーボード/マウスが繋がるドッキングベイ、オフィスだのアドビだのソフトをそろえて全部で60万円ぐらいかかった記憶がある。さすがにそれ以降、再び同じ機種を購入する気にはならなかった値段だった。

やっと iPad が発表された。B5サイズだが1024×768の解像度を備え、モバイル通信を内蔵し、iWorks が動作し、手書きメモがとれる。重さは1kg以下、何しろ価格は5万円〜10万円だ。メインPCにする必要はないので、高価なドックやキーボードはいらない。

やっと手帳が無くなる日が今月末にせまっている。